「箏を弾いているんです」とお伝えすると、「あ、琴ですね!」と返ってくることが、しょっちゅうあります。

わかります、わかります。ほんとうによく似ていますよね。でもここだけは演奏家として、こっそりお伝えしたくて。今日は「箏」と「琴」のちがいについて書いてみます!


まず、漢字が違います

「箏」と「琴」。どちらも「こと」と読みますが、別々の文字です。

「箏」の字をよく見ると、上に「竹」という字がついています。ところが実際に箏の胴体は、竹ではなく桐の木でできているんです。ちょっとまぎらわしい!

一方「琴」は、また別の楽器を指す漢字。日常会話では「こと」全般を表す言葉として使われることが多いですが、楽器としてはれっきとした別物なんです。


構造もちがいます

箏は細長い胴体に13本(または17本)の弦が張られた楽器です。「柱(じ)」と呼ばれるかわいい形の小さな支柱が並んでいて、これを動かすことで音の高さを調整します。演奏するときは右手の指に「爪(つめ)」をはめて弦を弾きます。

琴は7本の弦を持つ、より歴史の古い楽器。柱がなく音の高さが固定されていて、奈良・平安時代の雅楽などで用いられてきました。最近ではなかなか演奏を耳にする機会が少なくなっています。


なぜ混同されるのか

もともと日本では「こと」という言葉が弦楽器全般を指していました。そこに「琴」という漢字が当てられたことで、箏も琴もまとめて「こと」と呼ばれるようになったと言われています。

長い歴史のなかで混ざり合ってしまった、ある意味しかたのない混乱です。笑


次に「琴を弾いているんですか?」と聞かれたら、ぜひ「それ、実は箏なんですって!」と教えてあげてください。きっと喜ばれますよ。